住宅を新築するには家族構成やライフプランを考慮して設計するのが基本ですが、機能的な部分だけではなくデザインや快適性を求めることも大切です。自由に設計するのが注文住宅のメリットですから、色々なプランがあってこそ所有する喜びが持てます。以前であれば部屋は確実に区分するのが一般的でしたが、現在では開放感のある吹き抜けを多用する住宅が増えています。玄関や階段スペース、リビングに吹き抜けを設けることで開放感が出せますし、日当たりの良い快適な空間を実現できます。
感覚に左右させる部分も多いですが、吹き抜けには狭い住宅でも広く見せるための工夫があると言えます。注文住宅で吹き抜けを多用する場合には、構造的な特性を考慮する必要があります。ハウスメーカーの住宅では開放感があり吹き抜けを多用している特徴がありますが、ハウスメーカーの住宅は軽量鉄骨造が多くなるため在来工法では真似できないプランも有ります。吹き抜けは柱のない空間を実現しますが、柱や梁の強度が必要になるため木造在来工法では実現できない場合があります。
在来工法の場合には、間仕切り壁がないことで吹き抜け部分の強度が不足してしまいますので、地震などによって必要以上に力が加わってしまう場合があります。床がないために梁を渡すことができないため強度は落ちでしまいます。開放感のある吹き抜けにはメリットがありますが、デメリットもあるため注文住宅の設計では十分に検討する必要があります。